不妊症の原因と遺伝子検査。遺伝性について。

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不妊症は、10組のカップルのうち1組に発症するといわれています。もしかして不妊症ではないかと思った時に、遺伝的な問題を気にする方もいるかもしれません。また、不妊治療で子供を授かった場合にも、子供に不妊症が遺伝してしまうか気になる方もいるかもしれません。

不妊症が遺伝するのかどうかの話、女性・男性それぞれの不妊に関する遺伝子検査の解説です。

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不妊症の原因と遺伝

不妊症が遺伝するか考える前に、不妊症の原因について理解する必要があります。

当たり前ですが、正常に妊娠するためには最もよいタイミングで精子と卵子が出会い、受精卵となって子宮まで到達し、子宮の内膜に着床しなくてはいけません。この過程は、とても長くさまざまな要因が関わります。

まず、よい状態の卵子が卵巣から放出(排卵)され、卵管の途中で精子と出会うのを待ちます。一方で、精子は子宮の入り口である子宮頚管を通り抜け、子宮を通り過ぎて卵子が待つ卵管までたどり着くように動きます。卵子と精子が無事に出会えて受精卵になったら、卵管をたどって子宮へと転がり、子宮の内膜に着床します。

ここから女性の不妊症の原因となりうる主なものをまとめます。

女性の不妊症の原因

①子宮頸管:頸管粘液が少ないため、精子がうまく通れない

②子宮:子宮の変形や子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどにより、うまく受精卵が着床できない

③卵管:過去のクラミジア感染や子宮内膜症の癒着により卵管が閉塞し、卵子が通れない

④排卵:子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群、ホルモンバランスの異常、染色体異常などにより排卵がうまくできない

⑤卵子:加齢などにより受精に敵した卵子が排卵されない

最も多い原因は卵管障害で、次に排卵障害といわれています。

次に、男性の場合の不妊症の主な原因をまとめます。

男性の不妊症の原因

①精子:無精子症や乏精子症などで、精子を認めない、または少ないため妊娠に至らない。

②性機能障害:勃起障害や射精困難などが含まれる。

となります。

つまり、不妊症とひとことでいっても原因は男女共にさまざまなので、一概に遺伝するかというとそんなことはありません。例えばクラミジアなどの性感染症は感染症であって遺伝ではないですし、男性の乏精子症も思春期以降におたふく風邪になると精子の通り道が閉塞して起きることがあります。

しかし、女性の原因の中で子宮内膜症や多嚢胞性卵巣症候群などは家族性に発症することも多く遺伝子の関与があるのではないかといわれています。まだ原因遺伝子を特定できていません。また、子宮内膜症や多嚢胞性卵症候群の場合にも、薬や手術などで妊娠できている方はたくさんいます。

男性の原因の中で無精子症は遺伝する可能性があります。最近、男性の無精子症に関する遺伝子が特定され、男性の不妊症の約10-15%に認めることがわかっています。

不妊症に対する遺伝子検査の内容

遺伝子検査の予備知識

不妊症における遺伝子検査は、ほとんどが染色体を検査するものです。そのため、不妊症の男性、女性、夫婦に対して行う遺伝子検査の内容を説明する前に、染色体について理解しておくことが大切です。

遺伝子は、DNAという物質で構成されており、親から子へと引き継がれる遺伝情報をもっています。DNAはそのままではとても長いので、ヒストンというタンパク質に巻きついて、小さく折りたたまれています。DNAが折りたたまれているものを染色体とよびます。

正常の場合、私たちの体は22対の常染色体と2本の性染色体から成り立っています。男性の場合には、46XY、女性の場合には46XXと表現します。XY、XXの部分が性染色体を意味します。受精の時には、母親と父親それぞれから染色体をうけつぐので、受精した精子がもつ染色体がXであれば卵子のXと合わさり、XXになるので生まれてくる子供は女児になります。

一方で受精した精子がY染色体をもっているのであれば、卵子のXと合わさりXYとなり生まれてくる子供は男児となります。(産み分けをできるといっている産婦人科クリニックでは、精子がX染色体をもつかY染色体をもつか識別しているとのことです。)

子供が親からどのように染色体を受け継ぐかわかると、Y染色体に異常がある父親から生まれる男児はY染色体の異常を引き継いでしまう可能性が高いことがわかります。

男性の不妊症に対して行う遺伝子検査

最近、無精子症の男性の中にY染色体のAZF領域の欠失がある、つまり遺伝子異常を認めることがわかり、注目を集めています。AZF領域には、a,b,cと呼ばれる部分があり、aかbまたはaとb両方が欠失している場合には、精巣の中にも精子を見つけることができないといわれています。一方で、cのみが欠失している場合には、部分欠失といって精巣を手術によって開いて検索すると精子を見つけることができる可能性があるといわれています。

AZFに対する遺伝子検査は、無精子症の男性の診断のために行うだけでなく、手術によって精子を回収できるかどうかの判断のためにも行います。手術によって精子を回収できれば、女性の卵巣から取り出した卵子と体の外で受精させて子宮内に戻し、妊娠できる可能性があります。ただし、先ほどY染色体の遺伝の仕方を説明したように、無精子症の男性から生まれた男児は必ず父親からY染色体を受け継いでしまうので、将来無精子症になる可能性が高いです。

AZF領域の遺伝子異常は突然変異によると考えられているので、無精子症の男性の父親が無精子症であるわけではありません。

また生まれつき性染色体が1本多い、47XXYの男性はクラインフェルター症候群とよばれ無精子症となることが多いといわれています。

女性の不妊症に対する遺伝子検査

女性の中に、うまれつき染色体異常をもつ方がいます。性染色体が通常より1本少ない方をターナー症候群とよび、染色体は45Xとなっています。体つきは女性でも、月経が始まらない(原発性無月経)などの理由で病院を受診し遺伝子検査で診断されることがあります。

X染色体の異常は、原発性無月経の方の20~30%、一度月経が始まっても途中で月経がなくなる方の約10%、若いのにも関わらず早期に閉経してしまう方の約15%に認めるといわれています。

夫婦に対する遺伝子検査

妊娠しても何度も流産をくりかえす、いわゆる習慣性流産の場合には、夫婦の染色体異常が問題のことがあるので夫婦に対する遺伝子検査を行います。習慣性流産を起こす夫婦の約5.5%に染色体異常を認めるといわれています。

結婚前の遺伝子検査・ブライダルチェック

最近では結婚前に産婦人科を受診し、ブライダルチェックといって妊娠に関連するような採血検査や超音波検査などを行う女性も増えています。しかし、一般的にブライダルチェックの検査項目に遺伝子検査が含まれていることは少ないです。

なぜなら検査費用が高価、異常が出ても治療法がないこともある、遺伝カウンセリングの必要性などが挙げられます。

また上記の理由から不妊症の一般検査、またはスクリーニング検査に遺伝子検査を入れている病院も少ないです。

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