閉経と遺伝子・ホルモン検査。早すぎても遅すぎても良くない?

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女性は加齢と共に卵巣の機能が低下し、閉経をむかえます。

閉経になると排卵が起こらないため、妊娠できなくなります。閉経は早すぎても遅すぎても体によくないといわれています。

臨床にはまだ応用されていませんが、閉経に関連する遺伝子は今までいくつかの研究で報告されています。

閉経と遺伝子検査についてわかりやすくまとめます。

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閉経とは

閉経は、加齢による卵巣機能の低下に伴い、定期的な排卵が行われなくなり、生理が止まることをさします。

妊娠には健康な卵子と精子が出会うことが必要なので、閉経をむかえるということは妊娠できないということを意味します。

また、閉経に伴って女性ホルモンも低下するため、多くの女性は閉経する年齢の前後5年間は更年期障害とよばれるさまざまな症状に悩まされます。

更年期障害の症状はめまい肩こり頭痛腰痛便秘などの身体症状から、気持ちの落ち込みやイライラなどの精神症状まで起きることがあります。

日本人の平均閉経年齢は50歳前後といわれています。

閉経は早すぎても遅すぎてもよくない

閉経は健康な女性であれば50歳前後で起こることが多いですが、なかには40歳未満で閉経となってしまうことがあります。

早い人では30歳代でも閉経してしまうこともあります。

40歳未満に閉経することは早発閉経とよばれ、遺伝子検査によって異常が指摘されることがあります。

早発閉経の問題点

閉経が早すぎることの問題点は、自然妊娠が難しくなるという点です。妊娠を希望する女性にとって大きな失望になる可能性もあります。

また、女性ホルモンが早期に低下してしまうため若いうちから更年期症状が出ることがあります。

女性ホルモンには、コレステロールを低下させる作用や骨を強くする作用があります。そのため、早発閉経の場合には脳梗塞や心筋梗塞、骨粗鬆症などのリスクが上昇する可能性があります。 

遺伝以外の早発閉経の原因

聖マリアンナ医科大学病院で早発閉経と診断された患者さんにおいて、明らかな原因が指摘されたのは10-20%程度だったそうです。

そのなかで、自己抗体が原因の方が約50%、自己免疫の方が約20%、染色体異常の方が15%、遺伝子異常の方は3%、他は卵巣の手術や抗がん剤による化学療法、放射線治療によるものでした。

その他に閉経を早める原因としては、喫煙や抗てんかん薬などの薬による副作用、ストレスや食生活の乱れ、やせすぎや肥満が挙げられます。

遅発閉経の問題点

一方で、閉経が遅いことを遅発閉経とよびます。遅発閉経の場合には、長い間女性ホルモンが分泌されるので、女性ホルモンによって発症率が上昇すると考えられている乳がんや子宮体がんのリスクが上がります。

このように、女性にとって閉経は早すぎても遅すぎてもよくないといえます。

閉経年齢に関連する遺伝子

閉経に関連する遺伝子に対する研究は、今までも多く行われており遺伝子の同定や合併する病気のリスクなども明らかになっています。

約70000人のヨーロッパ系女性を対象にした研究結果によると、自然閉経年齢に関連する遺伝子の変異が56個同定されています。そのうちの18個はすでに過去の論文で報告されているものと一致していました。

発見された遺伝子異常は、DNA修復に関与する遺伝子、卵巣の機能不全に関与する遺伝子、思春期の遅れに関与する遺伝子に存在していることも明らかになりました。

つまり、閉経に関連する遺伝子は閉経年齢だけでなく、がんや卵巣の機能不全などとも関連する可能性が高いということです。

また、今回の研究では遅発月経をきたす遺伝子異常は乳がんのリスクも高めることがわかりました。

閉経後高血圧の発症に関わる遺伝子

閉経後は女性ホルモンの減少によって高血圧や脂質異常症(以前の高脂血症)、骨粗鬆症などの病気を発症しやすくなることがわかっています。

FSHRは、ヒト卵胞刺激ホルモン(FSH)が作用する受容体です。FSHが、受容体に結合するとエストロゲンが分泌され、血管が広がるので血圧の上昇を抑制できると考えられています。

つまり女性ホルモンによる血管拡張作用によって、高血圧を引き起こしにくいということです。

FSHRの遺伝子に変異があると、個人によってFSHによるエストロゲン産生作用が異なることがわかっています。そのためFSHRの遺伝子変異は、閉経後の女性の高血圧症のリスクに関連するといわれています。

具体的には、閉経女性でAA遺伝子型をもつ方は、CG遺伝子型またはGA遺伝子型をもつ方に比べて1.68倍、高血圧を発症しやすいことがわかっています。

遺伝子型によって閉経後高血圧を引き起こしやすいことがわかっていれば、塩分制限や適度な運動など高血圧の予防になる生活習慣を積極的に行えば高血圧を事前に防ぐことができるようになるかもしれません。

閉経女性の女性ホルモン濃度に関連する遺伝子

日本で行われた研究では、閉経女性の女性ホルモン濃度に関連する遺伝子の変異が明らかになっています。

日本人の785名の自然閉経女性に対し、CYP19A1遺伝子、HSD17B1遺伝子、HSD17B2遺伝子の変異を測定したところ、女性ホルモン濃度に差が出ることがわかりました。

女性ホルモンは乳がんや子宮体がんのリスクになるといわれていますが、一般的に閉経すると女性ホルモンが減少するのでそのリスクは低下すると考えられています。

しかし、閉経後の女性ホルモン濃度に関連する遺伝子に変異がある場合には閉経後の女性ホルモン濃度がある程度保たれてしまうので、変異がない方に比べると乳がんや子宮体がんのリスクがあがる可能性があります。

今後の研究で明らかにされることが期待されます。 

現時点では閉経年齢の予想は遺伝子検査ではなくホルモン検査

閉経に関連する遺伝子の変異はすでにいくつか報告されていますが、まだ臨床応用するには時間がかかりそうです。

現時点では、閉経の診断はエストラジオールやFSHとよばれるホルモン検査によって行われています。

また、卵巣にどれくらいの卵子が残っているかを予想するホルモン検査によって閉経が近いかどうか予測することができます。アンチミューラリアンホルモン(AMH)とよばれるホルモンを測定する検査で、卵巣の予備能を測定しています。

遺伝子の情報は基本的に生まれてから死ぬまで変わらないため、遺伝子検査を行えば現時点で臨床応用されているホルモン検査よりも早く、そして正確に自分の閉経年齢を知ることができるようになるかもしれません。

近い将来、遺伝子検査によって閉経年齢が予想できるようになることが期待されます。

まとめ

閉経年齢の予測、閉経後のホルモン変化など閉経に関連する遺伝子は、すでにいくつか報告されているようです。

現時点では、まだ実用化されておらず、保険適用にもなっていないですが、今後研究が進み閉経年齢などを早く知る手がかりの一助になるとよいです。

<参照サイト>

http://tamagawa-clinic.com/genetic-risk-marker.html

http://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/feature/case/case01.html

http://ameblo.jp/lc-tsunezawa/entry-12007090493.html

http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/10228

http://ameblo.jp/lc-tsunezawa/entry-11963792184.html

http://ivf-asada.jp/amh/amh-kensa.html

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