身長と遺伝の関係。背の伸び方に関わる遺伝子とは。

遺伝子と身長成長

背の高さは遺伝だけでなく、栄養や睡眠などの影響を受けるます。

両親の身長が高くなくてもバレーボール選手になれるような背の高い子が生まれることもあれば、同じ両親から生まれた兄弟でも背の高さが全く違うこともあります。また、男性と女性では一般的に男性の方が背の高いことが多いです。

今回は、これらの疑問に答えるために身長に影響する遺伝やその他の要因に関してわかりやすくまとめます。

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身長の高さに関わる遺伝子とは

身長の高さは、約8割が遺伝の影響といわれています。

しかし、身長には1つの遺伝子だけでなく多くの遺伝子が関与していることがわかっています。2014年には、アメリカやイギリスの研究チームが身長と関連する697個の遺伝子を同定したと「Nature Genetics」誌に発表しました。しかし、同定された遺伝子でも身長の個人差の約16%しか説明できないそうです。

同定

1 同一であると見きわめること。
2 生物の分類上の所属や種名を決定すること。
3 単離した化学物質が何であるかを決定すること。「スペクトルで物質を―する」

また、身長と寿命に関わる遺伝子としてFOXO3遺伝子も注目されています。寿命が延びるといわれているFOXO3遺伝子型をもっている人は、身長が低いことがわかっています。人間において、背が低い人の方が高い人より長生きということも証明されており、FOXO3遺伝子の影響と考えられています。FOXO遺伝子をもつ人は、がんも少なく、糖尿病や肥満に関連するインスリンの血中濃度が低いといわれています。

男女の身長差に関わる遺伝子とは

一般的に男性は女性よりも身長が高いことが多いです。なぜそのような差が生まれるかという理由は、まだ完全にはわかっていません。しかし、いくつかの研究報告から男性がもっているY染色体上に身長を高くする遺伝子が存在するのではないかと考えられています。

また、思春期以降の女性において多く分泌されるエストロゲンという女性ホルモンも男女の身長差に影響するといわれています。エストロゲンは女性らしさを維持するためのホルモンで、身長の伸びに対しては抑制する傾向があります。

一般的に、初めての生理が早く来た女性はエストロゲンの分泌が増加する時期も早いため、背が低くなる可能性があります。肥満は早熟の原因になり、初めての生理が早く来る可能性が高くなるので、背を伸ばすためには適正な体重を保つことも大事だといわれています。

エストロゲンが正常に体の中で効果を発揮するためには、エストロゲン受容体の存在が必要です。エストロゲン受容体に関わる遺伝子に違いがあると、エストロゲンの作用がうまく発揮されず背が高くなることがわかっています。

男性でも、男性ホルモン(アンドロゲン)からエストロゲンに変換する酵素に関わるCYP19遺伝子に違いがあるとエストロゲンの量が減るため、身長が伸びやすくなります。

遺伝と他の要因の影響度

厚生労働省が平成25年に行った「国民健康・栄養調査」によると、20歳男性の平均身長は171.6cm、20歳女性の平均身長は158.1cmとなっています。昭和50年の男性166.9cm、女性の150.8cmに比べると、日本人の身長は長期的に見ると高くなっていることがわかります。

日本人の身長が高くなっている要因としては、栄養状態の改善が挙げられています。実際に、発展途上国などで栄養状態がよくない環境で育つと身長が低くなることがわかっています。

遺伝は、身長に与える影響の約8割を占めるといわれていますが、遺伝の影響が出やすいのは栄養状態が良い人に限るとわかっています。つまり、栄養不足の状態では、両親からの遺伝情報で身長が伸びやすい体質であっても、十分な栄養が摂れていないため背が低くなってしまうことがあります。

身長を伸ばすためには、骨が伸びることが必要です。骨の成長に必要なタンパク質やミネラルを成長期に十分に摂ると背が高くなる可能性があります。身長に影響を与える要因には、他に睡眠やホルモン、ストレスなどがあります。十分な睡眠をとると、寝ている間に骨の発育に必要な成長ホルモンが分泌されます。

女性ホルモンは、身長が伸びるのを抑制する作用があるため、一般的に初めての生理が来るのが遅い方が、背が高くなる可能性があります。肥満は早熟を誘発するといわれているので、太らないように心がけることが大切です。またストレスがあるとコルチゾールというホルモンが分泌されて、身長が伸びるのを抑制するといわれています。ストレスなく、愛情をたくさん受けて育った子供は背が高くなりやすいことがわかっています。

両親の身長から推測される子の身長。その算出方法の参考式など

身長に関わる因子としては、遺伝、栄養、睡眠、ホルモン、ストレスなどが挙げられます。この中でも遺伝は、身長への影響の約8割を占めるともいわれており、この考えをもとに両親の身長から子供の予測身長を算出できる式も存在します。

最終身長予測式

男子:(父親の身長+母親の身長+13)÷2

女子:(父親の身長+母親の身長-13)÷2

しかし、元バレーボール日本代表選手である益子直美さんの場合には、父親が170cm、母親が164cmなので最終身長予測式で計算すると160.5cmになるはずでしたが、実際には175cmになりました。つまり、遺伝以外の栄養や睡眠などの身長に与える影響も大きいということがわかります。

例えば、兄弟の間で1人だけ身長が高い場合には、遺伝よりも栄養などの環境の影響が大きかった能性があります。

犬の大きさは種類によってなぜこんなに違うのか?

チワワやゴールデンレトリバー、柴犬などさまざまな種類の犬がいますが、同じ「犬」と思えないくらい体の大きさが違います。犬の大きさの違いにも遺伝が関係しているのでしょうか。

この疑問に答えるため、アメリカの研究グループは、143系統3000頭以上の犬を解析し、犬の大きさを決めている遺伝子を同定しました。犬の大きさを決めている遺伝子は、成長因子に関わるものでした。小型犬は、同定された遺伝子にわずかな違いがあることによって体の大きさが小さくなることがわかりました。

まとめ

身長には、遺伝だけでなく栄養、睡眠、ホルモン、ストレスなど多くの要因が関わっていることがわかりました。日本は約60年前に比べると国民の栄養状態がよくなったため、身長は高くなったようです。ただし、食生活の欧米化や交通機関の発達により日本人の肥満の割合が増加傾向にあり、特に女性の場合には早熟の原因となって身長が低くなる可能性があるので注意が必要です。

身長に影響する因子の約8割を遺伝が占めるといわれていますが、すでに同定されている遺伝子でも説明しきれないことの方が多いので、今後の身長と遺伝に関する研究が期待されます。

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2016.08.07

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