先天性難聴の原因は遺伝?遺伝子検査の内容・費用について。

42611686 - close-up of doctor inserting hearing aid in the ear of a girl

生まれつき難聴の子どもは、1000人あたり1人存在するといわれています。最近では、小児の難聴の約50%は遺伝によるということもわかっています。

現在では、先天性難聴に対する遺伝子検査が保険適応になっており、以前よりも確定診断の確率があがっています。

今回は、先天性難聴と遺伝子検査についてわかりやすくまとめます。

スポンサーリンク

先天性難聴とは

先天性難聴とは、生まれつき遺伝子の関与などによって耳が聴こえない病気です。先天性難聴は1000人の子どもが生まれたら1人に発生するといわれています。

子どもの難聴の原因で、最も多いものが遺伝によるもので約50%を占めています。25%はウィルス感染や薬剤の副作用、外傷などの外的な要因といわれています。

残りの25%は原因不明とされていますが、まだ特定されていない難聴を引き起こす遺伝子異常によるものが含まれている可能性はあります。 

先天性難聴と遺伝子異常

先天性難聴を引き起こす遺伝子は、まだ同定されていないものも含めて約100種類もあるといわれています。

また、遺伝子の変異の仕方は人種間でも異なることが明らかになっているため、日本人に特有の異常を同定する必要がありました。

信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室が中心となり、他の施設と協力して5000例を超える難聴患者の遺伝子解析を行いました。そして、難聴に関連する遺伝子を多数同定し、遺伝子変異の違いによって症状の現れ方が異なることなども明らかにしました。

2012年には、先天性難聴に関連する13遺伝子、46種類の変異に対する遺伝子検査が認可され保険適用となりました。

また、さらに解析技術の進歩した機械を使用し、2015年には19遺伝子154種類の変異を検査できるようになっています。

結果的に、現在は25%前後の診断率から、35%前後まで確定診断率が上昇しています。

難病認定されている若年発症型両側性感音難聴では遺伝子診断が必須

2015年に難病に指定された若年発症型両側性感音難聴は、40歳未満で発症する難聴をさします。

若年発症型両側性感音難聴は、新生児聴覚検査や3歳児健診、就学健診などで聴覚の異常が確認されなかったにも関わらず、40歳未満の年齢で、遅れて難聴となった場合に診断されます。

子どもにおいては難聴の原因の約50%が遺伝によるものと考えられていますが、大人全体では0.14-1.9%が遺伝による難聴といわれています。

若年発症型両側性感音難聴の原因はいまだに不明なことが多いですが、いくつかの遺伝子異常が関わっていることは明らかになっています。

具体的には、ACTG1遺伝子、CDH23遺伝子、COCH遺伝子、KCNQ4遺伝子、TECTA遺伝子、TMPRSS3遺伝子、WFS1遺伝子などです。

若年発症型両側性感音難聴の場合には、遺伝子異常があるということが確定診断の条件なので遺伝子検査は必須となっています。 

先天性難聴において遺伝子診断をするメリット

難聴に対して遺伝子検査をするメリットは、確定診断だけではなく、どのような経過をとるか、聴力をどれくらいの期間で失うかなどの予測になることです。

例えば、子どもの時に耳の聴こえが悪く、そのまま治療をしないと言葉の発達もまだ未熟な状態なので、聞いたことを理解するまで多くのリハビリを要します。

しかし、難聴に対する遺伝子検査で異常が見つかり、脳には異常がなく、聴力にだけ異常が出る病気だとわかれば、人工内耳という手術を早期に行い訓練により聞いたり、話したりすることができるようになります。

例1. GJB2遺伝子異常

GJB2遺伝子の異常があった場合には、将来的に重度の難聴をきたし、聴力はほとんど失われる可能性が高いといわれています。

しかし、脳に異常がないことはわかっているので、人工内耳の治療をすれば聞こえるようになります。人工内耳とは、聞こえてくる音の信号を機械によって直接聴神経に伝達する装置のことです。簡単にいうと、聞こえない耳の代わりをする装置です。

例2. Mit 1555A>G変異

Mit 1555A>Gとは、ミトコンドリアの遺伝子変異のことを示しています。抗生物質の1つであるアミノ酸配糖体は、副作用として難聴が有名です。

副作用の出方は人それぞれですが、Mit 1555A>Gに変異があると少量の内服量でも難聴になりやすいことが明らかになっています。

事前にこの遺伝子に変異があることがわかっていれば、違う種類の抗生物質を選択し副作用が出るのを防ぐことができます。 

先天性難聴に対する遺伝子検査の対象者や費用

遺伝子検査の内容

血液からDNAという物質を取り出し、遺伝子の解析をする機械によってすでに同定されている19種類の遺伝子の異常がないか調べます。154カ所において遺伝子の変異がないかを検査します。

遺伝子検査の対象者と費用

検査の対象となるのは、基本的に両側の中等度以上の難聴がある方とされています。

先天性難聴に対する遺伝子検査は、2012年から保険適用になっています。

そのため、検査費用は3割負担であれば12000円ですが、病院によって聴力検査やその他の検査も加わる可能性があるので、検査をする時には事前に問い合わせる方がよいです。

まとめ

先天性難聴の原因となる遺伝子は約100種類と多いですが、その中で現時点では日本人の難聴と関係が強い19種類の遺伝子を検査することが可能で保険も適用されることがわかりました。

今後、機械の発達や研究の成果によって、より多くの関連遺伝子の同定が進み、先天性難聴の方の早期診断、早期治療につながることが期待されます。

<参照サイト>

http://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/shinryo/senshin/12/

http://www.tora-ear.jp/03/

http://uwb01.bml.co.jp/kensa/search/detail/1604337

http://www.shinshu-jibi.jp/specialty/specialty01

http://www.nanbyou.or.jp/entry/4628

http://www.nanbyou.or.jp/entry/4628

https://medicalnote.jp/contents/150908-000013-VVFBPP

http://www.jibika.or.jp/citizens/hochouki/naiji.html

ご購読ありがとうございます。

自宅で出来る遺伝子検査

遺伝子検査キットは料金・検査項目・信頼性・知名度などを総合的に判断して選びます。

現状では、マイコードとジーンライフが定番です。

詳細は以下のページをご覧ください。