隔世遺伝とは?薄毛・がんが世代を隔てて遺伝する仕組み

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自分が両親ではなく祖父母に似ていたり、祖父母がもっていた病気と同じものを発症した場合に隔世遺伝ということがあります。がんや薄毛などは隔世遺伝しやすいから、祖父母がそうである場合はリスクが高いのではないかと心配している方もいるかもしれません。

今回は隔世遺伝の仕組みがんや薄毛がどのように遺伝するかについて、わかりやすくまとめます。

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隔世遺伝とは

世の中には顔かたちがそっくりな親子もいれば、全く似ていないように見える親子もいます。しかし、遺伝情報は父親と母親から半分ずつ必ず受け継いでいます。どちらかに似ているといわれることがありますが、遺伝学的には半分ずつ両親の特徴を引き継いでいるはずです。

子供ができるためには、精子と卵子が出会って受精卵にならなければいけません。この時に、精子に父親の遺伝情報、卵子に母親の遺伝情報が含まれています。

同じ原理で、父親は自分の親、つまり子から見ると祖父母の遺伝情報を半分ずつ受け継いでいます。母親も同様です。

つまり、自分の遺伝情報は親だけでなく、祖父母、そしてもっと上の世代のものも自然に受け継いでいることになります。

隔世遺伝とは、祖父母の世代では発現しているものの、親の世代では発現していなかった病気や症状、特徴などが子供に発現していることを指します。つまり世代を隔てて遺伝していることを隔世遺伝とよぶことがあります。

薄毛は隔世遺伝する可能性がある

性別を決定する染色体のことを性染色体とよび、X染色体とY染色体があります。女性はXX、男性はXYとなっています。子供が生まれるためには、母親の卵子と父親の精子が受精する必要があり、母親の卵子にはX染色体、父親の精子にはX染色体かY染色体が含まれます。

現在、発見されている薄毛に関する遺伝情報は、X染色体に存在することがわかっています。つまり、父親が薄毛であったとしても、子供が男性の場合には父親側からY染色体しか受け継いでいないはずなので、X染色体に存在する薄毛に関する遺伝情報は遺伝しません。一方で、子供が女性の場合には、父親から薄毛に関する遺伝情報を受け継いでいることになります。しかし、薄毛は基本的に男性ホルモンに関連するため、女性では薄毛になりにくいことがわかっています。

薄毛の父親をもつ女性が、結婚して子供を産み、その子供が男性だった場合には、父親の遺伝情報が入っているX染色体を引き継ぐことになるので、子供は薄毛になる可能性があります。

このような理由から、母親側の祖父が薄毛だと、子供が薄毛になりやすいといわれており、薄毛は隔世遺伝すると考えられています。

しかし今後、薄毛に関わる遺伝子が現在発見されている以外にも見つかる可能性があります。新しい遺伝子が、X染色体に存在せず、例えばY染色体に存在する場合には父親が薄毛の時には子供も薄毛になる可能性が高くなります。

また薄毛は、遺伝だけでなく、食習慣や毛髪の管理の仕方、ストレスなど多くの要因によって起きる可能性があるので、一概に遺伝だけでは説明できないことも多いです。

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がんは遺伝するか

私たちの体の中では、毎日多くの発がん物質が産生されています。しかし、免疫によって悪いものは取り除かれてがんが発生しないように制御されています。

がんの中で、遺伝する確率が高いがんのほとんどは、がんを抑制する遺伝子の生まれつきの異常があるものです。主な遺伝性腫瘍を、以下にまとめます。

①大腸がん

リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)、家族性大腸ポリポーシスが知られています。リンチ症候群の場合には、他にも子宮体がんや卵巣がん、胃がん、小腸がん、尿管がんなどを発症する可能性があります。家族性大腸ポリポーシスの場合には、胃がんや十二指腸がんなど他の消化器系のがんを併発することがあります。

②乳がん・卵巣がん

乳がんや卵巣がんの中には、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群とよばれるものがあり、遺伝している場合には、若くして進行性の乳がんや卵巣がんを発症することがあります。アメリカの女優であるアンジェリーナ・ジョリーさんが遺伝性乳がん・卵巣がん症候群であることを公表し、乳房と卵巣を予防的に切除して話題になりました。

③悪性黒色腫

皮膚にできるがんです。他にすい臓がんを発症することがあります。

④腎臓がん

ウィルムス腫瘍といって、腎臓にがんができます。

⑤眼のがん

網膜芽細胞腫といって、目のなかにできるがんです。小さいころに黒目が白く光っているように見えて発見されることもあります。眼球を摘出する手術が必要です。

⑥脳腫瘍

脳腫瘍の中でも、フォン・ヒッペルリンドウ症候群の場合には小脳や脊髄などに血管芽細胞腫という腫瘍ができることが知られています。他には、腎臓、すい臓、肝臓、副腎などにのう胞や腫瘍ができることがわかっています。

⑦ホルモンを作る臓器の腫瘍

多発性内分泌腫瘍1型、2型とよばれているもので、下垂体やすい臓、甲状腺などさまざまな臓器にがんができることがあります。

今回挙げたがんは、がんを発症する全体の数に比べると決して多くの人に起こる可能性があるわけではありません。つまり、ほとんどのがんは親からの遺伝や隔世遺伝というよりは、遺伝以外の食事や生活習慣などによって発症するということです。

例えば、大腸がんは高脂肪食や赤肉などがリスクとして知られています。すい臓がんは、糖尿病やアルコール、タバコなどがリスクです。

肺がんはタバコ、胃がんはピロリ菌、乳がんは欧米化した食事、子宮頸がんはヒトパピローマウィルスの持続感染がリスクとして知られています。がんを発症した方が家族にいると遺伝するのではないか、親は発症していなくても祖父母ががんだと隔世遺伝するのではないかと心配になるかもしれません。

しかし、先ほど挙げたような明らかな遺伝性のがん以外は、遺伝が全ての原因とはいえません。

バランスの良い食事、運動、睡眠、禁煙を心がけることは、がんを発症しないために大切ということです。

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まとめ

隔世遺伝とは、世代を隔てて遺伝情報が発現することをさします。薄毛の遺伝子は、X遺伝子に存在するため母親側の祖父が薄毛だと、子供が薄毛になる可能性があります。

がんも隔世遺伝することがありますが、ほとんどのがんは遺伝だけでなく、食生活や喫煙のような生活習慣など多くの要因の相互作用によって起きると考えられています。

 

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